最近友達に勧められて、アニメ『
ef - a tale of memories.(※)』を見ました。
(※音が大きいので閲覧の際はご注意下さい。)かなり内容が濃いアニメだったので、ここでも簡単にレビューなどしたいと思いますw
このアニメの登場人物は下のとおりです。
・広野 紘(ひろの ひろ) 主人公その1。高校生かつプロの漫画家。
・宮村 みやこ(みやむら みやこ)ヒロインその1。紘と偶然会ったことから仲良くなっていきます。
・堤 京介(つつみ きょうすけ) 主人公その2。紘の親友で、映像に関するこだわりは並みならぬものがあります。
・新藤 景(しんどう けい) ヒロインその2。紘の幼なじみで、紘を兄と慕っています。
・麻生 蓮治(あそう れんじ)主人公その3。『物語』を作ることに憧れています。
・新藤 千尋(しんどう ちひろ)ヒロインその3。病気を抱えています。景の妹でもあります。
・火村 夕(ひむら ゆう) 千尋の同居人。蓮治に様々なアドバイス(?)などをしていきます。
・雨宮 優子(あまみや ゆうこ)謎の人物(?) 神出鬼没的に登場人物の目の前に現れ、心に残る言葉を残していきます。
基本的には大きく分けて二つのストーリー(紘、みやこ、京介、景のストーリーと、蓮治、千尋のストーリー)が、同時並行で進んでいくという感じで、姉妹である景と千尋とが時々メールをやり取りする以外は両者の接点はほとんどありません。
ここでは便宜上、前者を「ストーリー1」、後者を「ストーリー2」と表記することにします。
・ストーリー1
こちらは紘、景とみやこの三角関係を描いたストーリーです。
みやこは親が離婚した影響で『自分の居場所』がどこにもないと思っていて、つねにそれを求めていました。
そして、紘が一度景の方に傾いたとき、みやこは「どうせ失う物なら、最初から関わらない方がいい」と全てに絶望してしまいます。
この辺りのみやこの気持ちに、個人的にとてもシンクロしてしまいました。
自分も一度とあることでそういった気持ちに囚われたことがあったので、そういう思考に至るみやこの気持ちがとてもよく分かりました。
無くして絶望するぐらいなら、最初から愛なんか要らない、と。
この辺は、『北斗の拳』で最愛の師匠を自分で殺してしまった悲しみに耐えられず、愛を捨ててしまったサウザーを思い出してしまいました。
もちろん、このサウザーの話も今見ると凄く泣けます…(TT
紘も二人のことをどっちつかずで、見ている方もイライラしてしまったんですが、親友の京介に叱咤されたのと、目の前に現れた優子の助言に心を動かされ、3人の関係に決着を付けることになります。
この時の優子の言葉は特に印象的でした。
「人は時には一番大事な物を守るために、大事な何かを諦めないといけません。さもないと、逆に全てを失ってしまいます。捨てるのではなく…あなたが捨ててもらうんです。しかも、それが今まで大事に思ってきた絆であればあるほど、その痛みは大きいのです。でも、生きている限りこの痛みからは逃れられませんよ」紘との関わりを断ち、遠くに行ってしまおうとするみやこを必死で説得する紘の姿には感動しました。
一度だけみやこから公衆電話からかかってくるんですが、テレホンカードのタイマーが切れていく中で話すという演出も良かったです。
・ストーリー2
蓮治と千尋が、小説を書き上げるために二人で協力するストーリーです。
千尋は小さい頃の事故の後遺症で、記憶が13時間しか保てないという病気のため、普段も日記に自分がしてきたことを記録しておかないと、何もかもを忘れてしまいます。
そんな中でも必死に日頃の記録を残しつつ、蓮治と二人で小説を書き上げようと努力する千尋の姿に心打たれました。
蓮治との時間を大切にしたいという一心で、蓮治と会った日の記憶を細かく書き連ねる余り睡眠を怠るという行動を繰り返したせいで、13時間というタイムリミットを過ぎてしまい、一度は蓮治のことを全て忘れるという事態に陥り、一度は絶望する蓮治ですが、それでも千尋に真剣に向き合おうと努力する蓮治の姿もまた心打つものでした。
しかし千尋はこれ以上蓮治を苦しめないようにと、今まで記録してきた蓮治との時間を全部破り捨て、蓮治の前から姿を消します。
色々悩んだ上、蓮治は千尋が破り捨てた日記帳のカケラを集め、千尋との日々をやり直すことを決意します。
普段の蓮治は優男な感じなのですが、この時の蓮治の行動には男気を感じました。
千尋もまた蓮治のことを忘れようとしたのに、ずっと蓮治のことを忘れられずにいました。
蓮治とずっといて感じた優しさやぬくもりを、彼女もまた忘れることが出来なかったんですね。
このときの千尋の
「13時間って長いんですね」という言葉が印象的でした。
結構長くなってしまいましたが、このアニメは見所が多いので要所を上手くまとめるのに悩んでしまいますw
見ているといろんなことで考えさせられる内容なので、もし興味がある人は見てみてください。
それともう一つ、このアニメは創作をやっている人にも勧めたいです。
ストーリー中でも、漫画と映像のそれぞれの創作への姿勢について紘と京介が言い争うシーンがありますし、その他千尋の小説へと向かう姿勢など、至る所で制作者のメッセージ的なものを感じることが出来ます。
ともあれ、久しぶりに熱いアニメを見ることが出来ました。
勧めてくれた方に感謝ですw